硝子体手術について

山本眼科では、眼の奥の病気に対して日帰りでの硝子体手術を行っています。
精密な顕微鏡下で行うこの手術は、視力の回復や再発予防を目的とした高度な治療です。
最新の設備と熟練した技術により、安全で確実な手術を実施します。

硝子体とは？

眼の中には「硝子体（しょうしたい）」と呼ばれる、透明でゼリーのような物質が詰まっています。
硝子体は眼の形を保ち、光を通して網膜に映像を届ける役割を担っています。
この硝子体が濁ったり、網膜を引っ張ったりすると、視力の低下やゆがみなどの症状が現れます。
こうした場合に、濁ったり硝子体をとり除き、網膜の状態を整えるのが「硝子体手術」です。

手術の目的と適応疾患

硝子体手術は、主に網膜や硝子体の病気を治療する目的で行われます。
眼の奥で出血や膜の発生、網膜の変形が起きると、視力の低下や歪視（ものがゆがむ）などが生じます。
それらを治療し、視力の回復と再発予防を図るのがこの手術です。

主な対象疾患は次のとおりです：

• 黄斑前膜（薄い膜が形成される病気）
• 黄斑円孔（中心に穴があく病気）
• 糖尿病網膜症による硝子体出血
• 硝子体出血・硝子体混濁
• 網膜剥離
• 眼内炎・外傷性疾患
• 病状や進行の程度に応じて、最適な手術方法を慎重に選択します。

手術の流れ（全て日帰り手術）

① 術前検査

手術前に眼の状態を詳しく確認します。
白内障手術を同時に行う場合は、眼内レンズの度数をこの段階で決定します。
手術内容・流れについて担当医が丁寧に説明いたします。

② 麻酔

白内障手術では点眼麻酔が主流ですが、硝子体手術では眼の動きを止める必要があります。
そのため、より安定性の高い局所麻酔を使用して、安全な環境下で手術を行います。

③ 手術

手術時間は病気の種類や眼の状態により異なります。
早い症例で約30分、平均で1時間前後です。
難易度が高い場合は時間を要することもあります。

④ 手術後の処置

手術終了後は眼帯で眼を保護します。
翌朝に眼帯を外し、医師が眼の状態を確認します。
その後は、術後経過に応じて点眼・通院を続けていただきます。

手術の安全性と機器

山本眼科では、安全性と精密さを両立した硝子体手術を実現するため、最新の機器を導入しています。

Alcon Constellation®（アルコン コンステレーション）

極細の27ゲージシステムに対応し、眼への負担を最小限に抑えた手術が可能です。
出血や炎症のリスクを減らし、術後の回復をよりスムーズなものにします。

Resight（リサイト）広角観察システム

顕微鏡下で眼底を広い範囲で鮮明に観察できる装置です。
病変を的確に確認しながら、より安全・正確な操作が行えます。

執刀医について

手術は、硝子体手術に習熟した院長および日本大学病院眼科教授中静 裕之先生が担当します。
大学病院レベルの技術と安全基準を地域医療で実践し、日帰り手術でも入院手術と同等の安全性を確保しています。

術後の経過と注意点

手術翌日は必ず診察を行い、その後も定期的に経過を確認します。

術後の診察スケジュール（目安）

• 手術翌日（1日目）
• 3日後
• 1週間後（7日目）
• 2週間後（14日目）
• 4週間後（28日目）

その後は、1か月・2か月と徐々に間隔をあけていきます。

症例によっては、眼内にガスを注入して治療を行う場合があります。
その際は、一定期間うつ伏せ姿勢を保つ必要があります。
当院では、専用のうつ伏せ用エアーマクラをお貸しし、できる限り快適にお過ごしいただけるよう配慮しています。

術後は、眼をこすったり水が入るような行為は避け、医師の指示に従い点眼と通院を続けていただくことが重要となります。

院長メッセージ

硝子体手術は、眼科の中でも特に繊細で高度な技術を要する手術です。
私たちは「ひとつひとつの眼を確実に治す」という責任のもと、常に最善の方法を追求しています。
最新の装置と熟練した技術を駆使し、患者様の視機能を守り、再び見える喜びを取り戻すことを目指しています。
当院では、日本大学病院 眼科教授 中静 裕之 先生と連携し、大学病院レベルの技術と安全管理を地域医療において実現しています。
手術に対して不安をお持ちの方も多いと思いますが、山本眼科では丁寧な説明と万全の体制でサポートいたします。

院長　山本 篤志